よく聞かれる質問
Q.鍼灸治療はどのような病気に効果があるのですか?Q.鍼治療は痛いのでは?
Q.灸は熱く、やけどの痕が残るのではありませんか?
Q.鍼治療で肝炎やエイズなどの病気に感染する心配はないのでしょうか?
Q.鍼灸治療で副作用の出ることはありませんか?
Q.鍼灸治療治療についてもっと詳しいことを知りたいのですが?
Q.鍼灸治療を受けるには?
鍼灸治療はどのような病気に効果があるのですか?
当診療所の受診患者のうち約6割は腰痛症、変形性膝関節症、関節リウマチ、肩関節周囲炎(五十肩)、坐骨神経痛、頸椎症、頸腕症候群(肩こり症を含む)といった痛みを主訴とする整形外科的疾患の方ですが、やはりこのような症状に対して鍼灸治療は最も効果的だと考えられます。
つづいて、自律神経失調症、更年期障害、心身症的要因、過労やストレスなどを背景として、ホルモンや自律神経のバランスがくずれるために出てくるさまざまな体調不良を訴える方が来られます。例えば、頭痛、肩こり、腰痛、不眠、生理痛、生理不順、むくみ、冷え、風邪を引きやすい、喉が弱い、眼精疲労、めまいなどです。これらに対しては、それぞれの症状を一時的に緩解させるというだけでなく、気長に治療を続けていくことで、原因となっているバランスのくずれそのものを改善したり、症状の出にくい体質に改善する効果も期待できると考えています。
こういった疾患以外にも、いろいろな慢性病に対して気長に治療を続けていくことで、少しづつ症状が改善されている方が多くおられます。
治療後、「あれ!さっきまでの痛みがうそのようだ」とか「体が軽くなった」、「足が軽く上がるようになった」など、即効的に効果があらわれることもありますが、症状歴の長いものは、やはり改善するまでにかなりの時間を要します。おおまかに言えば、急性の痛みなどに対してはかなり即効的な効果をあげやすく、慢性の症状に対しては、ある程度じっくり腰を据えて治療をするという気持ちが必要です。
少し変わったところで、逆子の治療に足の小ゆびのきわ(至陰というツボ)にお灸をする方法でかなり良好な効果があるという報告がありました。古い中国の医書にも載っています。そこで、当所でもこの方法を試してみたところ約6割のケースで矯正できました。こんな手軽な治療によって手術をしないで出産ができるのは母子ともにとって大変幸運なことですが、実のところなぜ効くのかはっきりとは分かっていません。このようにメカニズムは分かっていないけれども意外に効果のある病気や症状がまだまだ見つかってくるに違いありません。
鍼は痛いのでは?
鍼治療を一度受けてみようと思うが、痛そうなのでどうしたものかと迷っている方は案外多いのではないでしょうか。注射で痛い思いをしたり縫い針を過って刺した経験があるからでしょうか。でも、そういう方でも、必要にせまられて、やむなくおそるおそる受けてみると、たいていは思ったより痛くないし、人によっては、むしろ快く気持ちが良いといわれます。
完全に無痛にするということはできませんが、いろいろな工夫によって、できるだけ痛くない、さらには心地よい刺激感になるようにと努めています。簡単に鍼治療時の痛みや刺激感について説明しておきましょう。
鍼の太さは注射針や縫い針などとは較べものにならないくらい細いものです。また、非常に弾力性があってよくしなります。しかも鍼の先端は鋭く尖っているのでなく微妙に丸みを帯びています。このような構造上の特色によって、注射針が組織を「切り裂いて」入っていくのと違って、鍼はむしろ「押し分ける」ように入っていきます。ですから組織を傷つけることが少ないため痛みも少ないし出血することもほとんどありません。
鍼には皮膚を貫通する際の「切皮痛」というものがあるのですが、これに対しては「鍼管」という道具を使って一瞬で皮膚を突き刺すことで対処します、うまくゆけば完全に無痛になります。実際には皮膚上の特に痛みに敏感な点(痛点)・細い静脈・小さな傷の瘢痕部などに当たってしまう場合がありますので、常に無痛というわけにはいきませんが、痛みは一瞬で軽微です。
「切皮痛」とは別に、鍼には、いわゆる「ひびき」といわれる「痛み」とは微妙に違う特有の感覚が生じます。ツンツンとかツーン、ときにはズシンと言った感じです。体に痛みや「こり」などの違和感のない人や、初めて体験する人にとってはあまり愉快とはいえないかもしれませんが、ひどく肩が凝ったりしたときはむしろ痛いほど叩いてもらう方が気持ちよいのと同じで、体に違和感がある場合にはむしろ心地よく感じたりもするものです。
「ひびき」は通常それを感じないと効果も出ないといったものではありませんが、必要な刺激量は確保する必要があると考えられます。そのため当所で通常行う鍼は「置鍼」といって、あまり「ひびき」を感じない程度に鍼を刺し、そのまま10分間ほど置いておくことで、不快感を減らしつつ刺激を強めるようにしてます。ただしときには、いくらか「ひびき」の感覚を辛抱していただく必要のある場合もあるかと思います。
灸は熱く、やけどの痕が残るのではありませんか?
鍼灸治療を受けたてみたいけれど、お灸は熱いし、やけどの痕が残るのではないかと心配で敬遠されている方も多いと思います。そのような方に安心していただけるように、お灸について簡単に説明したいと思います。
灸には大きく分けて2種類の方法があります。1つは「もぐさ」を皮膚(ツボ)の上で直接燃やします。これは「直接灸」と呼ばれ、やけどの痕が残ります。もぐさの大きさやすえる回数などによってもやけどのでき方は異なってきますが、普通は米粒の半分ぐらいのもぐさを3〜5壮(回)燃やします。
もう1つの方法は、「間接灸」とか「温灸」とよばれるもので、直接皮膚の上でもぐさを燃しませんので、それほど熱くもありませんし、やけどの痕ができることも通常はありません。方法としてはいろいろあるのですが、たとえば民間で昔から行われている、スライスした生姜やニンニクなどをツボの上に敷きその上で艾を燃やすといった方法などもその1つです。
当所で行う灸はほとんど「間接灸」の方です。具体的には、図に示すような、直径8mm×高さ12mmほどの筒の上の方にもぐさを入れ、皮膚から約1cmほど離れたところでこれを燃焼させます。この方法だと、ほどよい熱さを感じるにもかかわらずやけどになることはまずありません。
ただ、間接灸でほほ同じ温度の熱を加えた場合でも、体質・体調・皮膚の状態などによって受ける側の刺激量は異なります。そのため、たとえば直前まで湿布をしていた箇所であったり、もともと皮膚が特に過敏な人だと、「間接灸」でも水疱などの軽度の火傷を起こす場合も全くないとは言い切れません。ただし通常、数ヶ月でほぼ跡形を残さず消失する程度のものです。いずれにせよ、間接灸では我慢しがいたい熱さを辛抱する必要はありません。「心地よい熱さを通りこして苦痛」と感じたらすぐに治療者に知らせてください。
まれに直接灸をすえることもあります。これはもちろん相当に熱いですが、熱刺激に加えて軽い火傷を人為的に作る事による効果を期待できる症状に対しての場合です。もちろん患者様の同意が得られる場合に限って行います。
鍼治療で肝炎やエイズなどの病気に感染する心配はないのでしょうか?
当診療所では、患者様ごとに専用の鍼を用いますので(無料)、鍼を介して、たとえば肝炎やエイズなどのウィルスが感染するといった心配はありません。なお、使用後の鍼は薬品による処理を行ない、さらにパッキングして高圧蒸気滅菌処理をしたものを保管しています。
鍼灸治療で副作用の出ることはありませんか?
鍼灸治療の副作用については、当所の臨床実態に照らしてみても、一般にいわれるように「副作用はほとんどないか、あっても一過性で軽微、自然に消退する程度」と考えてさし支えないと考えています。
鍼灸の副作用には以下のようなものがあります。
鍼治療
- 刺鍼時痛:通常は鍼を抜けば、直後に消失しますが、まれに2〜3日続く場合があります。
- 微量の出血:通常すぐに止まります。抗血栓薬を服用中でも問題になることはまずありませんが、一応問診票で治療前に確認し、細鍼を使用する、深刺は避ける、などで対処しています。
- 皮下血腫:刺鍼部が紫色になりますが、1〜2週間で消失します。
- 眠気:数時間続く場合があります。眠気のあるときは車の運転は控えてください。
- 倦怠感:運動後のような疲労感が出ることがあります。多くは翌日には消失しますが、翌日または2〜3日続くようでしたら治療担当者に知らせてください。多くは刺激量を軽くすることで出にくくすることができます。
- かゆみ:副交感神経緊張型やアレルギー体質の人に出る傾向があります。数カ所の鍼を刺した部位に限局したかゆみは数時間で消失する場合がほとんどですが、広範囲にわたってのかゆみやミミズ腫れなどが生じる場合は鍼は不適応かもしれません。
- 化膿:鍼自体は清潔なので、鍼から感染することはありませんが、何らかの理由で刺鍼部が化膿する場合があります。糖尿病、ベーチェット病など基礎疾患が隠れているかもしれませんので、担当治療者に知らせてください。
灸治療
- 水疱:軽症のやけど(I度)です。灸をした箇所に一致して発赤や水疱ができたあと、しばらく茶色いシミのようなものや火傷痕が残ることがありますが、数日〜数ヶ月でほとんど目立たなくなるか痕を残さず消失します。
- 化膿:直接灸をした場合や温灸の副作用でできた水疱が破れたところに雑菌が感染しておこる場合があります。水疱ができた場合は破らないようにし、お風呂は控え、清潔にしてください。水疱が破れても通常は1〜2日で痂皮(かさぶた)ができますが、じくじくと膿の出る場合は治療担当者に知らせてください。また糖尿病の方は灸は一応不適応と考えられます。
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